通勤や通学でおなじみの山手線。
日々何気なく利用しているこの路線ですが、駅の開業順をたどることで
東京という都市がどのように発展してきたのかが見えてきます。
この記事では山手線の駅24駅を開業順に紹介していきます。
併せて、各駅の特徴や周辺の街の変遷にも触れていきます。
いつもとは違う視点で東京をめぐる路線に出かけてみませんか?
1)山手線 <都市をつなぐ環状線の役割>
2)駅の開業順まとめ(一覧表)
3)山手線の駅を開業順に簡単な紹介
Contents
山手線 <都市をつなぐ環状線の役割>
山手線はJR東日本が運行する環状路線で東京都心をぐるりと一周します。
全長約35km。1周の所要時間はおよそ1時間ほどです。
主要ターミナル駅をはじめ、オフィス街、繁華街、住宅地といった
様々な顔を持つ街をつないでいます。
- 駅数:24駅
- 最新駅:高輪ゲートウェイ駅(2020年開業)
- 特徴:都市機能を循環させる首都圏の大動脈
山手線がたどってきた歴史はまさに東京の都市化の歩みそのものと言えるでしょう。
それでは、その歩みを駅の開業順に沿って見ていきましょう。
駅の開業順まとめ(一覧表)
駅名 | 開業年 | ひとことメモ |
---|---|---|
品川 | 1872年 | 日本最古の始発駅、山手線では1885年編入 |
新橋 | 1872年 | 日本初の鉄道開業駅 |
上野 | 1883年 | 東北地方の玄関口 |
新宿 | 1885年 | 初期区間の重要駅 |
目白 | 1885年 | 文教エリアへのアクセス拠点 |
目黒 | 1885年 | 駅ビルなど再開発進行中 |
秋葉原 | 1890年 | 電気街とオタク文化の聖地 |
田端 | 1896年 | 車両基地が近い |
大塚 | 1903年 | 商店街と住宅地に隣接 |
巣鴨 | 1903年 | 高齢者に人気の街 |
日暮里 | 1905年 | 歴史的景観が多くみられる |
代々木 | 1906年 | 新宿に近接している、乗換需要が多い |
原宿 | 1906年 | 竹下通りや明治神宮で賑わう街 |
田町 | 1906年 | 芝浦エリアとの境界駅 |
浜松町 | 1909年 | モノレールや竹芝アクセスの拠点 |
駒込 | 1910年 | 文化財へアクセスするための玄関口 |
有楽町 | 1910年 | 商業施設が集中 |
高田馬場 | 1910年 | 学生の街、多数の専門学校ある |
鶯谷 | 1912年 | 上野動物園のアクセスも良好 |
東京 | 1914年 | 日本の中心駅 |
神田 | 1919年 | オフィス街の要所 |
御徒町 | 1925年 | 上野〜秋葉原間の開通時に設置 |
西日暮里 | 1971年 | 地下鉄千代田線の西日暮里駅に接続 |
高輪ゲートウェイ | 2020年 | 最も新しい駅 |
山手線の駅を開業順に簡単な紹介
鉄道黎明期と山手線の誕生(1880年代〜1900年代)
この時期の駅は日本に鉄道が導入されて間もない頃に誕生しました。
東京の南部と北部を結ぶ形で開業したのが始まりといわれています。
品川駅(1872年/山手線としては1885年に編入)
日本最初の鉄道路線の起点駅。新幹線や羽田空港へのアクセスも良好な巨大ターミナル。
新橋駅(1872年/山手線には非直結だが関連が深い)
日本初の鉄道駅。サラリーマンの聖地として知られ、ビジネス街の中心地でもある。
上野駅(1883年)
東北地方への玄関口。アメ横や上野公園、博物館、美術館など観光地にも近接。
新宿駅(1885年)
世界有数の乗降客数を誇る駅。高層ビル群やデパートがあり、複数路線の乗換えもできる。
目白駅(1885年)
学習院大学をはじめとする文教地区として知られ、落ち着いた住宅街が広がる。
目黒駅(1885年)
都心と郊外をつなぐ住宅地で、再開発によって駅ビルや商業施設も整備
秋葉原駅(1890年)
当初は貨物専用駅。戦後に電気街として発展し、現在はサブカルチャーの中心地に。
田端駅(1896年)
鉄道関連施設が集中する交通の要衝。
都市の拡張と山手線の発展(1910〜1930年代)
都市の拡大とともに次々と駅が増設された時代。
住宅地や商業地として開発が進むエリアに駅が設置されました。
大塚駅(1903年)
昔ながらの商店街と新しいタワーマンションが共存する街並み。
巣鴨駅(1903年)
とげぬき地蔵を中心に高齢者に人気の「おばあちゃんの原宿」として有名。
日暮里駅(1905年)
下町の風情と再開発が融合。谷中銀座商店街や日暮里繊維街が魅力。
代々木駅(1906年)
新宿から一駅。多くの路線が交差するビジネス街への玄関口。
原宿駅(1906年)
若者文化の発信地であり、竹下通りや明治神宮など多彩な顔を持つ。
田町駅(1906年)
再開発が進む芝浦エリアの玄関口。オフィス街と学生街の二面がある。
浜松町駅(1909年)
東京モノレールや大門駅と連絡。竹芝埠頭や芝離宮恩賜庭園が近い。
駒込駅(1910年)
六義園や旧古河庭園など歴史的庭園があるエリア。
有楽町駅(1910年)
劇場や映画館があり、銀座エリアと隣接する街。
高田馬場駅(1910年)
大学や専門学校が集まり、学生街としてにぎわう。
鶯谷駅(1912年)
上野動物園や寛永寺へのアクセスが可能。昭和の雰囲気を残すホテル街も特徴。
東京駅(1914年)
皇居前に広がる日本の表玄関。新幹線・在来線・地下鉄と多彩な路線が集中。
神田駅(1919年)
書店街や古書店とビジネス街が混在。秋葉原・大手町エリアへのアクセスも良好。
御徒町駅(1925年)
アメ横商店街の一角。上野と秋葉原の中間地点で買い物客に人気。
戦後の復興と近代化(1940〜1970年代)
第二次世界大戦後、都市の再建と人口の都市集中により新たな駅や再整備が進みました。
西日暮里駅(1971年)
千代田線との接続を目的に設置。周辺には学校が多く、通学需要も高い。
現代都市の再開発と未来志向(2000年以降)
都市再開発や利便性向上を目的に21世紀に入ってから新たに登場した駅もあります。
高輪ゲートウェイ駅(2020年)
山手線で49年ぶりの新駅。再開発地区の核として整備。
山手線の駅はそれぞれが東京の都市発展の足跡を刻んでいます。
開業順に駅を眺めていくと、近代化、戦後復興、高度経済成長、
そして東京がどのように変化してきたかが浮かび上がってきます。
次に山手線に乗るときはぜひ歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
ぜひ計画の参考にしていただき、充実した時間を過ごしてください!